応急処置

思いがけない怪我をした場合、適切な応急処置を迅速に行う事は、早期の回復に繋がります。

しかし、誤った処置を行なうと、逆に怪我を悪化させてしまう事もあります。

応急処置の正しい知識を身に付けておきましょう。

【傷口の応急処置】

切り傷やすり傷を負った場合、先ずは水道の流水で傷口を洗います。

怪我をした直後なら、傷口についた土や砂は水できれいに洗い流せることが多いのですが、しばらくすると、傷口の血液や浸出液が土や砂と一緒に固まり、取れにくくなってしまいます。

又、怪我をすると多くの人が「消毒をしなければ!」と考え、直ぐに消毒液をかけますが、色素が入った消毒液や粉末状の消毒剤は怪我の状態を見えにくくする為、かえって診断の妨げになります。

水道水には塩素が入っていますので、多少の消毒の効果もあり、病院に行く場合は、消毒をする必要はありません。

軽い怪我で病院に行く程ではない時は、市販の消毒薬で消毒し、救急ばんそうこうやガーゼを貼っておきましょう。

【出血した場合の応急処置】

  1.  1.先ずは出血しているところを直接押さえて止血します。
  2.  2.安静にし、3分間じっと傷口を押さえます。
  3.  3.この際「血が止まったかな?」と、途中で押さえるのを止めないように注意ましょう。
  4.  4.これでも止まらない出血は、病院で処置してもらいましょう。

<< 止血の処置は適切ですか? >>

止血の処置を「傷口より心臓に近い動脈を押さえる。又は、縛る。」と考えている方が多いようです。

確かにこれは止血法の一つではありますが、一般的ではありません。中途半端に縛った場合、かえって出血を増やしてしまう事があります。

かと言って、更に強く締めた場合、止血はされるのですが、絞めつけた場所から先に血液が送られず、組織が死んでしまうことがあります。

不十分な知識で、不適切な処置をする事は危険です。患部を直接押さえても出血が止まらない場合は、速やかに病院へ行く事をお勧めします。

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【打撲した場合の応急処置】

  1.  1.先ずは冷やしたタオルやアイスパックなどで患部を冷やします。
  2.  2.患部がしびれてきたら中止し、感覚が戻ったら再び冷やすという作業を、3回程繰り返します。
  3.  3.患部を冷やす事で痛みは和らぎますが、無理をすると炎症や腫れがひどくなる場合もありますので気をつけましょう。

【ねんざした場合の応急処置】

  1.  1.打撲の時と同様に、先ずは患部を冷やします。
  2.  2.患部をなるべく動かさない様に、テーピングなどで患部を固定します。
  3.  3.移動の際も、ねんざした方の足に体重を掛けない様に注意します。
  4.  4.足を高くしておくと、腫れの原因となる不要な蓄積物が溜まりにくくなります。

ねんざとは、関節の靭帯が傷ついたり、切れてしまった状態です。

出来るだけ早く病院で診察してもらいましょう。

<< 打撲やねんざをした時、いつまで冷やすの? >>

打撲やねんざをした時、先ずは患部を冷やしますが、いつまで冷やすのが良いのでしょうか。

患部を冷やすのは、腫れ上がってくるのを抑える為ですが、この腫れは3日目位にピークに達し、ピークを過ぎると腫れが治まってきます。

ですから、腫れのピークまでは患部を冷やし、ピークを過ぎたら今度は逆に患部を温めましょう。

痛みが強かったり、腫れが大きい時、ましてや患部に変形がある時は、必ず病院へ行きましょう。

【マメが出来た場合の応急処置】

マメはつぶさず、傷口を保護して下さい。

マメが小さく破れていない場合、無理に皮を剥がしたりしないで、表面がこすれない様に「バンドエイド マメ・靴ずれブロック(サイズ別)」を貼りましょう。

マメが破れてしまった場合、傷口から出る体液を吸収してゼリー状に膨らみ、乾燥による刺激を抑える「バンドエイド キズパワーパッド(サイズ別)」で傷口を保護するのが効果的です。

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【骨折した場合の応急処置】

先ずは骨折した部分を固定し、速やかに病院へ行きましょう。

副え木には、木の枝、棒、板、傘や厚めの雑誌等を利用し、患部と副え木をテーピングで固定します。

腕を骨折した場合、三角巾やタオルなどを巻いて首から吊るすのも、有効な処置方法の一つです。

<< 骨折しても動かす事は出来る? >>

転んだ時に手を突き、強い痛みがある時に、多くの人が「動くから骨折はしてない。」と考える様です。

しかし、痛みは伴いますが、骨折の多くは患部を動かす事が出来るのです。

又、患部が動かない時、神経に傷があるのではと考えるのが一般的ですが、神経の傷が骨折による事もあれば、打撲による事もあります。

手足をひねったり、ぶつけたりした時、打撲なのか、ねんざや骨折なのかを見分けるのは難しいものです。

痛みや腫れが少なくても、エックス線撮影をしてみると、骨にひび入っていることもしばしばあります。

「曲げない」「動かさない」「副き木を当てる」等の応急処置をして、速やかに病院へ行く事をお勧めします。

<< アキレス腱を断裂しても歩く事は出来る? >>

アキレス腱を断裂しても、歩く事は出来ます。

歩く事が出来るので、多くの人が「アキレス腱が断裂した」とは思わないのですが、つま先立ちが出来なければ、断裂の可能性が高くなります。

症状が肉離れと似ている為、病院でも「ふくらはぎの肉離れ」と診断されてしまう事があるくらいです。

患部を固定し、速やかに病院へ行きましょう。

【脱臼した場合の応急処置】

脱臼とは、関節がはずれて動かなくなってしまった状態を指します。

ほとんどがケガをした瞬間に関節が動かない状態になります。

むやみに引っ張る事は危険です。

三角巾やタオルなどを巻いて首から吊るす等の応急処置を取り、速やかに病院で診察してもらいましょう。

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【参考文献】

池永 英恒. "けがの応急処置." 佐世保市医師会ホームページ. 2001/02/06.

http://www.sasebo.nagasaki.med.or.jp/kenkou/oq.htm

池永 英恒. "常識のウソ." 佐世保市医師会ホームページ. 2003/05/26.

http://www.sasebo.nagasaki.med.or.jp/02_ippan/02_byouki/05_jyoushiki/05_jyoushiki.html

日本赤十字社. "講習の内容について." 日本赤十字社 救急法等の講習TOP.

http://www.jrc.or.jp/study/safety/index.html

スポーツの怪我 Harryhausens. "スポーツの怪我." スポーツの怪我.

http://spokega.web.fc2.com/at/injuryindex.htm

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